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かみさん (8bjoka2u)2022/5/9 07:22 (No.424141)
22年5月度
葉桜やあまねく与ふる熱の量
筍のあく抜き汁を肥料とす
みずたまり児の長靴の跳ぬ光

「葉桜やあまねく与ふる熱の量」
今年は雨が途中で降ったせいか、桜等の花が長く楽しめ、気がつくと葉桜だった。
きらびやかさをあまねく与える桜の花びらから、
こんどは熱量を分けて与える時期が来たよう。

「筍のあく抜き汁を肥料とす」
筍のあく抜きは大鍋でやる。4時間煮続けて一晩おく。
80センチくらいある鍋で煮汁も結構多い。
土に返していく。

「みずたまり児の長靴が跳ね光」
児らの長靴が水を踏むたびきらきらしている。
光の時期。
返信
かみさん (8bjoka2u)2022/5/9 07:13 (No.424135)
22年4月度
半旗仰ぐ無事てふ恵み311
春うらら病退散の旗のしわ
人は去り春霞に記憶かな

「半旗仰ぐ無事てふ恵み311」
言葉無く半旗があがっていた。言葉無く半旗を仰いだ日

「春うらら病退散の旗のしわ」
コロナ渦3年目、神社の疫病退散の旗の疲れ

「人は去り春霞に記憶かな」
インターネット句会が諸事情で解散した。
開始時にはそれなりに先見の物だったと思うが。
自分もここ1年くらい句らしいものを作り、難しさを実感したころ。
返信
かみさん (892r53io)2022/4/5 02:29 (No.397578)
22年3月度
口結ぶ児の一文字ふきのとう
荒風に払い浄めよ春例祭
やすらけく春眠のまま菰外す


「口結ぶ児の一文字ふきのとう」
ふきのとう、
季語というと身近なものしか使えないので、同じような句ばかりになる・・・。
まさに、ふきのとう、なんて、そう。
ふきのとうの持つ「いのちいずる」感が好き、口を結んで一途に集中する子にも感じます。
口を結ぶ子供の口の形までがその子の生命感。

「荒風に払い浄めよ春例祭」
春例祭、役員だけ20名程度の会、のりと奏上なども春の風の中、
これで、払いたまえ清めたまえ、と応援したくなる心地。
春の荒い風、きついし寒いけど。

「やすらけく春眠のまま菰外す」
コモ外し、、、啓蟄の前、あ休みの間に外して安眠にいざなおう、、、的。
今年は2月の末に外しました。そのまま、大型のごみ袋に入れて、永眠にいざないました。
返信
かみさん (892r53io)2022/4/5 02:26 (No.397576)
22年2月度
役終へし繭玉の箱かんからん
浅春やかひつくろひし枝静か
段丘を駆け上ぐるかに冬からす

「役終へし繭玉の箱かんからん」
小正月の豊作を願う行事としての繭玉かざり
これを家じゅうのあちこちに飾り、数日たって回収、
乾いてくだけて、箱の中でガラガラ鳴って、これはこれで楽しい様。
ただ、こうなってしまうととても食べられるものではない。

「浅春やかひつくろひし枝静か」 (浅春や整へし枝静か より変更)
落葉果樹はこの時期に剪定をするけれど、
約1週間かけた剪定もこのくらいでしまいにしよう・・・となったとき、
木の中にいると、あたりの静かさに気づく。
しずかなり、、、とか言ってしまうと静かでなくなる気がするので
こんなの句ではない、とかの評も覚悟で、「静か」にしてみたもの。
ま、静かな人里離れたような場所ではなくて人・車の音も当然にある立地ですが、
余分な枝もなくなった木の中に入ると、寒さの中、
気持ちから何から、すごく優しくて静かです。

「段丘を駆け上ぐるかに冬からす」
冬の句かいな・・・とか言われそう。
でも冬だからこそ、冬の空気を裂く黒一線を言いたい気分。
春からすじゃ意味がない・・・
ひと扇ぎごとに段をつけるように上昇するからすの躍動感を
段丘を一回ごとに駆け上がるさまとして、句にしてみたつもり。
返信
かみさん (892r53io)2022/4/5 02:20 (No.397575)
22年1月度
スタートは冬の新月性根据へ
見覚へのくせ字年賀の仕舞礼
神域と分かつほうき目去年今年

「スタートは冬の新月性根据へ」
今年のスタート、三が日に夜が暗いと思ったら新月でした
理屈っぽくも、年のスタートが新月の日、性根を据えて1年を始めるゾ!の句
自分にとってはまさに大きく何かが変わる年。

「見覚へのくせ字年賀の仕舞礼」
年賀状でこれをもって年賀のご挨拶を仕舞とします、と言う
礼儀正しく見覚えのある字の手書き賀状を受けた心情

「神域と分かつほうき目去年今年」
正月清掃とかで、箒目が付くほど清めた神域、
その境目と、去年今年の境目、良い年になってほしいものです。
本年もよろしくお願い致します。
返信
かみさん (892r53io)2022/3/31 04:08 (No.393583)
21年12月度
たなごころ蜜柑小さきをむしる児等
冬すすき仕事場に帯ふ錆刀
工場の軋みひときは風冴ゆる


「たなごころ蜜柑小さきをむしる児等」
むしる・・・蜜柑で遊ぶような荒い言葉と
それをつつみこむたなごころ、小さい子が蜜柑を大切にする様

「冬すすき仕事場に帯ふ錆刀」
枯れススキ、と言えば良いのに。。。錆びた刀をさして(帯びて)仕事場へ って。。。
心情そのままではあるけど、変な句ができちゃった、的に作者は思ったことでしょう。

「あかいわし」、という読みがあるそうな・・・錆刀

「工場の軋みひときは風冴ゆる」
遮音もしっかりした工場も多々ありますが、音が漏れる工場も結構ありますね。
それが時節柄のせいもあるのか、際立って聞こえるさま
返信
かみさん (892r53io)2022/3/31 04:03 (No.393582)
21年11月度
途切らせぬ思いの丈の秋まつり
老境に深むる味や秋トマト
鍛造や育ちしオクラつるぎかに

「途切らせぬ思いの丈の秋まつり」
秋祭り、普通ならたくさんの人でお祝いするのでしょうが、
伝統を残す、そんな意味でも少人数でやるような秋祭り。

「老境に深むる味や秋トマト」
トマトは栄養が少ないと味が深まるとか。秋トマトって魅力あります。
ちょっと固めになった皮をかむとかなり甘い深い味のトマトの魅力。

「鍛造や育ちしオクラつるぎかに」
育ちすぎたオクラはそれこそ、硬くて食べられないレベル、剣のよう。
お店では絶対に出会えない素敵な硬さ(笑)
返信
かみさん (892r53io)2022/3/31 03:59 (No.393581)
21年10月度
来る年も火は灯るらむ山じまい
駆け上ぐる階段険し天高し
吹き人は絶へて秋の音ハーモニカ

「来る年も火は灯るらむ山じまい」
山小屋の夜の光は夏、山開けば当たり前について秋になれば当たり前に消えるものと思っていましたが、
昨年つかなかっただけに今年の点火は貴重、
それがきえた時、その何とも言えない思い。
来年もともると信じたい・・・
とにかく、句にしてみたくて作者は言葉を並べて見たが、
できてみると、来る年って、季語・・・
調べてみると「山開きは季語だが山じまいは季語となっていない・・・とまで書かれている」


「駆け上ぐる階段険し天高し」
階段の高さと駆け上がる思い、それでも天高し、
どなたかには読まれていそうな雰囲気かとも思いました。

「吹き人は絶へて秋の音ハーモニカ」
ハーモニカを吹く方って少なくなりました。
それと秋の音が重なった句。

大学の保育科で音楽を教える先生のお話を聞いた際に、
質問コーナーで何を聞いて良いのかわからなかったので適当に
「幼稚園・保育園でハーモニカは復活しないのか」聞いてみたら、
教える先生も減り、さらに先生に教える先生もいなくなったので
復活は無いのでは無いか、と言われていました。
見えない口の中を教える大変さはありますが、
吸うと吹くさえ間違えなければ、音を間違えても和音効果で合奏になる効果があるのですが、
寂しい限りです。。。。

で、リクエストにお応えして(どなたからもリクエストなんてされいませんが)ちいさいあき、
ということで、逝く秋を惜しんでハーモニカの音でも聞いてあげて下さい。
泥縄粗製もう少しはやりようがありそうな録音ですね。
https://drive.google.com/file/d/1AZ8cCtRsLPHUkoEGT1Er2S2pplDvrOlZ/view?usp=sharing
返信
かみさん (892r53io)2022/3/31 03:55 (No.393580)
21年9月度
さすまたの錆積む秋の新居関
パラリンピック閉じてなほ鳴く秋の蝉
栗拾ふ合格てふバケツ鳴る ぞくまさ/季恵、礼子選

「さすまたの錆積む秋の潮新居関」
新居関、浜松(正式には湖西市)にある「海の関所」
ここの雰囲気も有って何度か途中下車で寄ったけれど、
一番の印象が錆さびの刺股(さすまた)って、海で使うことを考えると異常かも。
地味な名所で、句にはしてみたかったけど、有名なところではないので、
それこそ、「なんのことやら」でしょうか・・・
秋の潮の寂れ、と それがまた錆を重ねていく風合いのつもり。
「さすまたの錆 積む秋の潮 新居関」かなり読みにくい句だと思いました はい。

「パラリンピック閉じてなほ鳴く秋の蝉」
パラリンピック、、、スポーツそのものはもちろん、すてきな開会式・閉会式でした。
開会式冒頭に愛さんが登場したり、多様性の象徴ともなっているようですね。
セミ、って地上に出てからの生物としての活動期間の短さと濃さって特筆物。
こんな多様性の象徴みたい生物そのものも、
パラリンピックの閉会式のあとも鳴いていたのが印象。
ただ、その後はさっぱり聞かなくなって秋の虫に取って代わられた。
自然の摂理にしたがった物か・・・

「栗拾ふ合格てふバケツ鳴る」
栗拾う時って、からからん!と乾いた良い音が鳴れば、栗も良いできの物、という印象がありますが。
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かみさん (892r53io)2022/3/31 03:48 (No.393579)
21年8月度
ズボン裾初秋の風は猫の如
手明かりは光速疾駆銀河指す
冷酒注ぐ友は新婦の父の夜

「ズボン裾初秋の風は猫の如」
ズボンの裾にまとわりつく風で秋を感じた、まだ暑い日。
軽い夏のズボンが揺れやすいこと、風が猫みたいな奴、ということで。

「手明かりは光速疾駆銀河指す」
懐中電灯なりの手あかりで星をさして、
「この星は、、、」という説明に使ったりしますが、
こっちの光だって高速で飛んでいくのだ!と
その光景を楽しいような大時代的な言葉遣いで並べた句

「冷酒注ぐ友は新婦の父の夜」
友・新婦の父・婚礼の日の夜・冷酒・・・盛り込みすぎかも。
全部入れようとしたらなんか騒々しい句になったかとも思います。
現代的には「冷酒注ぐ」からは高級酒を飲む飲み方でもあります。
その冷酒で盛り上げながらクールダウンする夜はすてきです。
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