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かみさん (892r53io)2022/3/31 03:47 (No.393578)
21年7月度
峰雲を超ゆる銀輪香手向く
積み積まる薄墨の封梅雨深む
野の百合や刈り残されて咲く孤高


「峰雲を超ゆる銀輪香手向く」
銀輪は自転車
葬儀で置かれた故人の自転車を見ての想い。
まだまだ若い方で、葬儀に故人のユニフォームと愛機が置かれていた。
雲の上を走られていると信じて。

「積み積まる薄墨の封梅雨深む」
菩提寺の貫主さんの葬儀の時に、
役員側として公式の記録写真を撮らせていただいた。
帳場も比較的自由に出入りできた。
香典のつつみを自分もお供えし、お供えが増えていく様子。
で、とにかく、達筆。
隣保班の葬儀の帳場はそれなりに回数経験したが、世界が違う。
習字のお手本のようなおつつみが積み上がっていく様は壮観でした。
なんてことは自分には句にできませんで、

「野の百合や刈り残されて咲く孤高」
畑仕事、草刈り時には百合の花の元だけは刈り残すように心がけている。
で、高いところできれいに咲いたときには夏から初秋に移ろう時期かな?
1年前にほとんど々モチーフの句を作っていた事があった。
自分の発想貧困さには我ながら情けない。
返信
かみさん (892r53io)2022/3/9 01:53 (No.377350)
2021年6月
天気図が不要不急と途切る梅雨
つかの間の面会時間みかん花
梅雨雲の空鳴りの先月食はる

「天気図が不要不急と途切る梅雨」
梅雨前線、天気図がのこぎりに見えました。
ええぃ!と、不要不急をぶった切ったら何も残らなそうなイライラ感。
不要不急、、、こんな言葉が幅をきかすコロナ時代。

「つかの間の面会時間みかん花」
読者に「みかんの花咲く丘」という曲を想起させられれば、
「母」というキーワードや次につながる様子まで想起させられると思いますが、
そこまで任せてしまって良いか、という句だと思いました。

「梅雨雲の空鳴りの先月食はる」
月食と聞き何度空を仰いでも、暗くなった心地すらしない暗い夜。
世情不安とも、心情とも相まって、なんか荒れている自分。
返信
かみさん (892r53io)2022/3/9 01:44 (No.377336)
2021年5月
さくらんぼ仲良く食ふに双子かな
御幣かに祓い清めよ鯉のぼり
古雑誌がほど良き枕昼寝かな

「さくらんぼ仲良く食ふに双子かな 」
さくらんぼの実は双子になります。
なんかかわいいのにくにするとかわいくないなぁ

「御幣かに祓い清めよ鯉のぼり」
コロナの時代にあって、払いたまへ清めたまへと・・・
高く泳げや鯉幟。
ことしも頑張って柱を立て泳がせました。

「古雑誌がほど良き枕昼寝かな」
昼寝は夏の季語
枕にひんやりして気持ちいいですし、高さ超背も楽的古雑誌。
返信
かみさん (892r53io)2022/3/9 01:31 (No.377327)
2021年 4月
春塵や狭き畑に撒く肥料
玉砂利や白無垢染むる花の舞
三歳児門出に小さき春マスク

「春塵や狭き畑に撒く肥料 」
春のチリの舞い立つさまと肥料まき、
これがつながっているかどうかかと思います。
ちなみに、軽トラックいっぱいに4000円で乾燥牛糞を買ってきてあるだけ撒き散らす春先の行事
今年もできて良かった!という妙な行事。

「玉砂利や白無垢染むる花の舞 」
浅間大社は桜の花 この花咲くや姫さまのおわする神社の庭は
花びらが白無垢をまた違う美しさに染め上げていくよう

「三歳児門出に小さき春マスク」
このご時世ですが、
三歳児までは発達成長を考えて「マスクはかえって害になる」とも言われています。
三歳児からはマスクも慣れていきましょう、という段階。
三歳からは保育園・幼稚園に入っていく。社会への小さな小さな第一歩。
マスクも小さな第一歩。

この前提が社会的にも認知されていないと
この句は何を言っているか全く伝わらない句だと思います。
返信
かみさん (892r53io)2022/3/9 01:19 (No.377325)
21年3月度 投稿者:かみ 投稿日:2021年 8月 9日(月)09時45分49秒 返信・引用
春眠の淵を行き来す猫のゴロゴロ
ホース継ぐ自在に漏れ出て春の水
引っ越しの復路は二人山笑ふ


「春眠の淵を行き来す猫のゴロゴロ」
猫のゴロゴロが眠りにいざなうのか、
眠りから呼び起こすのかわからないが、
そのふちを行ったり来たりという事で。

「ホース継ぐ自在に漏れ出て春の水」
ホースをつなぐのは難しいと思う。
で、水は自由に動いて、隙間を見つけては踊り出す。
それの春の水の躍動感だという思い。(ま、季語は動くと思うが)
「自在に漏れし春の水」表現的には良い?

「引っ越しの復路は二人山笑ふ」
引っ越しに行きは単座、帰りは人まで連れてくる、
山笑うに慶事も思い起こされる句かと思う。
https://9220.teacup.com/kami/bbs/495
最初は上記、ここから5/7/5に押し込んだつもり。
たぶん、良い光景だったと思う。
車はぼろぼろだが。
返信
かみさん (892r53io)2022/3/9 01:18 (No.377324)
21年2月度 投稿者:かみ 投稿日:2021年 8月 9日(月)09時33分32秒 返信・引用
赤子の弱さ優しさ強さふきのとう
早や二月めくる暦にそりも取れ
背を丸め我が行く先に麦を踏む


「赤子の弱さ優しさ強さふきのとう」
  ふきのとうは浅春、まだ冬と世間では言う頃、顔を出す。
  そのほろ苦さをいただくに、生命を頂いて生きる自分を感じる。
  赤子とふきのとうがぶつかる唐突感・生命感。
  どちらも、生きる生命の弱さ優しさ強さを教えてくれると思う。

「早や二月めくる暦にそりも取れ」
  ありふれた光景が句になったかと思ったが。
  句までありふれ感があるかどうか、かとも思った。

「背を丸め我が行く先に麦を踏む」
  「麦を踏むと我が人生を考える」とか「背を丸めて麦を踏む」って
  どこかで見た光景かととも感じたが。
  逆に「麦を踏む」言葉は既に実感として生きていないかも知れない。
  現に麦を育てても麦踏みなんて形だけやってみただけ、
  霜も降りなくなっている畑。
返信
かみさん (892r53io)2022/3/9 01:18 (No.377323)
21年1月度 投稿者:かみ 投稿日:2021年 8月 9日(月)09時26分34秒 返信・引用
LEDマッチ売りかに暖をとる
音のみを浴びせ来るヘリ冬の空
立ち枯れし草に撫でらる錆線路


「LEDマッチ売りかに暖をとる」
マッチ売りの少女を標ぼうするにはトウ立ちすぎのじじぃではあるが。
マッチ売りの少女の死を前にして採った暖と夢の映像は哀しい。
現代ではLEDという明かりがある。明るく鋭い光。
温かさがまったくないこの明かりに暖を採る気分。。。的

「音のみを浴びせ来るヘリ冬の空」
ヘリコプターの音ってなぜこうも強く何かしらの不安を抱かせるのだろう。
音に浴びせ倒される自分。

「立ち枯れし草に撫でらる錆線路」
類想句、多そう!!と思いつつできてしまった句。
返信
かみさん (892r53io)2022/3/9 01:17 (No.377322)
20年12月度 投稿者:かみ 投稿日:2021年 8月 9日(月)05時55分30秒 返信・引用
冬の野や漁網引くかに蔓仕舞ふ
いましめを解かれし船出納豆汁
人が寄りともす宮の灯去年今年

「冬の野や漁網引くかに蔓(つる)仕舞ふ」
「漁師の網を引くような」という表現がありがちかな???とも思う。
「冬ざれ」だったら?とも思ったが、
それだと、蔓もボロボロになっていて渾身で引くことはできなそう。
全身で斜めになって網をたぐるようにツルと戦っている。

いましめを解かれし船出納豆汁
納豆ってねばねばどろどろの拘束の中に閉じ込められているがが
汁に入った途端、自由に泳ぎ出す感覚、
その発見。
自分としてはかなりいい句。(笑) 詠む人いないだろう・・・とも思うから。

「人が寄りともす宮の灯(みやのひ)去年今年」
神がおわする神社だが、田舎やしろに人が集って新年を迎える光景、
落ち着かない年越し。
この光景に懐かしささえ覚えそう。
返信
かみさん (892r53io)2022/3/9 01:16 (No.377321)
20年11月度 投稿者:かみ 投稿日:2021年 8月 9日(月)05時45分59秒 返信・引用
山越ゆる送電線や冬の星
神無月仮装居りたる地獄門
鬼滅なる刃の型の長かぼちゃ


「山越ゆる送電線や冬の星」
山を越える送電線は普通かもしれないけれど、
この送電線は夜の風景として冬の星に向かっているように見えたら
詩になったように思えた。
山歩きの時に鉄塔の保守業務の人とすれ違ったことがあるが、
大変な仕事だと思った。
冬の高圧電線や鉄塔の点検はスキーで向かうのだそう・・・

「神無月仮装居りたる地獄門」
宗教・風習が三つこの句の中にあると思っている。
神無月:日本神道、
仮装:ハロウィーン、アイルランド発祥のお盆のような収穫祭のような風習
地獄:仏教
神無月という神様達が出雲にお集まりの間隙を縫って
仮装の馬鹿どもがハロウィンの本当の意味も知らず地獄の門を開けかねない・・・
と言う理屈っぽい句。
たくさん盛り込みすぎかも・・・

「鬼滅なる刃の型の長かぼちゃ」
わからない方には何のことやらまったく通じない妙な句だと思う。
わかるかたには「こんな無理をした句で何の得が??」
という句だと思う。
社会現象となった鬼滅のやいば、
「やいばのかた」をした長い形の「鶴首かぼちゃ」とかがあって、
ただ言葉数があわずに「長かぼちゃ」としてみたけれど、
たしかにシルエットは「やいば」、とした句だと。
実際は物が「かぼちゃ」だけに鈍器にしかならないと思うが、
殺傷力はあると思います。
ちょっとブームが去ればかなり「きわもの」の句
返信
かみさん (892riu20)2022/3/8 01:49 (No.376534)
20年10月度 投稿者:かみ 投稿日:2021年 8月 9日(月)05時24分29秒 返信・引用 編集済
秋の陽は屋根等に盗らる火の見塔
おらが富士初冠雪てふ気付け薬
異界への入り口と見ゆ胡桃落つ


「秋の陽は屋根等に盗らる火の見塔」
火の見櫓は高いはずだが、まわりに屋根の高い家が増えてしまった。
秋の斜めの夕日では屋根屋根に光をとられてしまい
火の見櫓まで光が届かない風景、ということでしょうが、
あれこれ詰めすぎで、読んだ瞬間は「???」かもしれない。

「おらが富士初冠雪てふ気付け薬」
地元の富士山が初冠雪・初観雪になった。
気付け薬のようにピリッとした、と言うことだと言うことで。

「異界への入り口と見ゆ胡桃落つ」
胡桃の断面は宝珠のような形かと思う。
それが異界への入り口と見てのおかしみ。
だが、この断面の形をこの句から具体的に想像できるか、
また、山歩きに、いきなり異界への入り口がでてくる句を楽しめるか?
だとは思う。
(こんな句ばかりできてかき集めればそれなりに楽しいだろうけど)
(そんな才能はない)
返信

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